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執筆者の写真Takeshi Tsukiyama

必要なのは正確な情報です

私は、普段はあまりお店に出ないのですが、たまたま接客していた時に、しみ抜きのご依頼が御座いました。

直接お客様からシミの情報を頂くことが出来たのですが、その際には食べ物であることと、着いてすぐに来店されたことを伺いました。

確かに見た感じはそう見えましたし、生地もポリエステルなので「簡単に落ちますょ」と返答してしまいました。

翌日、その品物をしみ抜きしてみたところ、通常のしみ抜き剤だけでは動きません。

まぁ、こんなことは慣れっこなので、取り敢えずたんぱく質分解酵素を使ってみました。

しかし、思ったほど動きません。


この様なケースの場合、試してみるべきことがあります。

クエン酸か酢酸などの酸をシミに湿布してみると、こげ茶のシミが微妙に青く変化しました。

「なるほど、有機酸系だ。」


要するにこうです。シミが付着した後、何らかの原因でシミがアルカリにさらされた。そしてシミの千分の一つの有機酸が凝固してしまい、シミ自体が固着してしみ抜き剤が浸透くくなった。


そこで私がしみ抜きしたところ、やっぱりシミは動かなかった。たんぱく質分解酵素も有機酸の凝固で効果が思うほど出なかった。。。っと、こんなところでしょうか。

穿った見方ですが、一般的な洗剤はアルカリ性ですから、お客様が一度しみ抜きを試みたか、他で一度しみ抜きされているか・・・


お客様の心理としては、「すぐに持ってきました。」と言いたいのは分りますが、

しみ抜きとしては、正確な情報を頂いた方が、よりスムーズに作業が進みます。


このシミは、有機酸の処理をして落としましたが、ここに気が付かなければ、やたら漂白を繰り返していたかもしれません。


何の気兼ねも入れませんから、正確な情報を頂ければ、ご期待に添えると思います。



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