ワインや紅茶など、水に溶け易いものでありながら、衣類に付着すると落ち難くなるのは何故でしょう。
一つは、これらは色素を持っているからです。
更にそれから落としにくくなるのは、繊維の上もしくは中で、その色素が「固まる」からです。
水溶性の汚れのが落ち難くなるのは、概ねこの理由で「固まる」からなのです。
例えば砂糖水でも、何日も経つと砂糖になって固まりますよね。
そこに下手に熱が加わると、完全に固まってしまいます。
この「固まる」現象を縮合と呼びます。
縮合には様々なものがあり、熱で固まるケースや、時間の経過で固まるケース、またアルカリや酸の刺激で固まるケースなどいろいろなケースがあります。
この様な汚れを落とすには、固まった原因を知ることで事で、往々にして固まりを溶かすことができます。
例えば、アルカリで固まったワインの色素などは、酸性の薬剤を使用する事で溶かすことができます。
また縮合でも、特に水分が抜けて固まったものは、脱水縮合と呼びます。
これらは数ヶ月また数年の時間が経過したモノや熱によって固まったモノが多いです。
それを落とすには、熱や蒸気を使用しシミに水分が入り込むようにします。
凝固したモノに水が入る現象を「加水分解」と呼びます。
熱や蒸気により加水分解を促し、シミをの固まりを溶かすのです。
他に、血液などは酵素を使用したりします。たんぱく質や脂質・糖質などの凝固には、特定の酵素が加水分解を促します。
私が何故、汚れの由来にこだわるのか、それは汚れを知ることで、的確な洗浄・しみ抜きが出来るからです。
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